「ガッテン!鍼灸スペシャル」を見て
NHK2月20日(水)放送の「ガッテン!鍼灸スペシャル」を見たよ、という声が患者さんから寄せられています。私も視聴しましたが、患部や遠隔部から鍼を刺しての効果作用などが現時点で分かる範囲で説明されており、鍼を理解していただけるうえで良い内容だったと思います。
中国の鍼医の方が患者さんにスパスパ鍼を刺すシーンは、私も始めてみて「大胆さが日本の鍼灸とは大分違うな」と興味深く見ました。日本の鍼は皮膚表面を指先でツボを探し、細い鍼で慎重に刺してゆく治療家が多いようです。最近の日本の患者さんは刺激に対して敏感であまり強い刺激が苦手の方が多いからかとも感じます。
ツボの解釈も面白かったですね、確かに病気の反応点がツボ(経穴)ですが、ツボは皮膚にあるのか、筋膜にあるのか、筋肉にあるのか、神経線維、血管壁か?その違いで刺す深さも変わります。古来中国から伝わるツボの多くは血管拍動部や筋肉の間と記載されています。
私の場合は肩こり、腰痛などは筋肉や筋膜の緊張をとるために患部に届くまで刺入します。
鍼の響きは患者さんによって反応が違います。
ストレスなど全身的な自律神経の緊張や内科的な症状がある場合には手足に浅い鍼を施し、気を整える施術をする場合が多いですね。
実際の施術は患者さんの痛む部位、体力、年齢、精神的要素、急性か慢性痛かなどで施術のやり方が変わってきます。患者さんに合った施術をすることが大切ですが、その見極めが鍼灸の奥深いところです。