「霊」のはなし

今朝この夏初めてクマゼミの声を聞きました、今日も暑くなりそうです。

幽霊話でゾクッとするのは昔からの夏の涼み方です。幽霊は成仏できない霊が現れることですが、「霊」という字は古くは「靈」と書き、古代では神の御霊(ミタマ)に対して口々に雨乞いの祈りを捧げている様子を表している漢字なのでしょうね。

経穴(ツボ)にも「霊道、霊台、霊墟」など「霊」が入っているものがあります。それらは全て心臓の近くか心臓に関係する経穴です。

中国医学では「心は神を宿す」といい心臓は血液を送るポンプの役目もしますが、「神」すなわち「心」、精神的な活動や意識も司るとされています。意識を失うことを「失神」ともいいますね。

「霊」は魂(タマシイ、タマ)ですが、心霊ともよび心の機能と同じような意味に使われます。

私も「霊」がつく経穴はよく取穴します。不眠や抑うつ、精神的なストレスがある患者さんの背骨を圧していくと心臓の背面にある「霊台(れいたい)」付近に痛みがあります。胸側の「霊墟(れいきょ)」にも反応がでている方が多いですね。そこに鍼やお灸をすると効果がある場合があります。

 

家庭でも眠れないときや不安なとき台座灸を背骨の痛むところに据えてみるのもよいですね、ただ自分では背中にお灸を置くのが難しいときは手首の掌側の「霊道」に据えてもよいでしょう、いかにも霊験あらたかそうなツボでしょう。

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